──2009年は目標達成の年に
東京都トラック協会の星野良三会長は、2007(平成19)年1月11日の東ト協新年理事会で「映像記録型ドライブレコーダー(DR)を会員事業者の保有車両の半数に装着することで、会員事業者の交通事故を3年で半減する」との目標を掲げ、交通事故半減に向けて様々な取り組みを進めています。
そのための有力なツールとして、当初から映像記録型ドライブレコーダー(DR)の装着促進を図り、東ト協としてはDR装着助成を3年間の通年事業(通年予算額7億7,280万円)として実施し、東京都の助成制度等の活用も図ってきています。東京都では、2009(平成21)年度も2008(平成20)年度同様にDR助成を実施します(申請受付窓口は東ト協環境部)。
目標年となる2009年には、東ト協が提供しているラジオ番組(交通情報)の回数を2月から大幅に増加させ、目標達成のカギともなるドライバーに直接、安全運転・事故防止、目標達成を呼びかけています。
東ト協「交通事故半減の目標数値」は、計画スタート年(2007年)の直近2年間の都内(警視庁管内)会員関与の人身事故件数・死亡事故件数を根拠に設定しています。人身事故は直近の2005・2006年の数値が把握できましたが、死亡事故は2005年の会員関与の件数把握ができないため、2006・2007年の数値を根拠としています。
その母数となる数値を警視庁の協力を得て把握したところ、人身事故は2005年が1,832件、2006年が1,390件で、死亡事故は2006年が14件、2007年が21件とわかりました。このため、人身事故については2005・2006年の平均1,611件を半減、死亡事故については2006・2007年の平均18件を半減することを「目標数値」にしています。
なお、東ト協取り組みの直近3か年の、都内の事業用貨物自動車関与の人身事故総件数は2005年が6,429件、2006年が6,130件、2007年が5,605件。死亡事故総件数は2005年が61件、2006年が47件、2007年が55件となっています。
会員事業者の交通事故半減の目標年を迎えた2009年の年頭所感で星野会長は、「ドライブレコーダー(DR)の導入促進を図り、『自分のため』『世のため』『人のため』に交通事故半減の目標を達成して、東京のトラック運送事業者の意地と誇りを大いにアピールしよう」と意欲を示しました。また、東ト協新年理事会でも、2月16日に開催された東ト協事故防止大会でも同様の発言をし、「DR装着促進で事故半減へのさらなる飛躍をしたい」と目標実現を呼びかけました。
事故半減への有力なツールであるDR装着について東ト協は、会員事業者の車両・8万台の半数4万台に装着する目標を掲げ、普及促進に努めています。
また、2008年の都内(警視庁管内)における事業用貨物自動車が関与した交通死亡事故は、全体で41件、2007年に比べ14件の減少となりました。41件のうち、東ト協会員関与の事故は11件と、全体の4分の1強(26.8%)です。2007年の東ト協会員事業者関与の死亡事故が21件ですから、2008年は前年に比べ10件、47.6%と半減に近い減少となっています。一方、2008年の非会員関与の死亡事故は30件と前年に比べ4件、11.8%の減少です。星野会長は、「(事故の大幅減少は)会員の皆さんが、いかに事故防止に一生懸命取り組んでいるかという姿の現れ。DR装着効果もその一助になっている」としています。
東ト協は、今年が会員事業者の交通事故半減3か年計画の3年目(最終年)となることから、DR装着をさらに一層進めるとともに、東ト協が提供しているラジオ番組を活用、放送回数を大幅に増やして2009年2月から運転者に直接、事故半減実現への呼びかけを開始しました。「交通事故の半減」を確実なものにするため、目標達成への第一線にいる運転者に「目標達成は運転者の双肩に」「左右の確認とスピードを控えめに」「交差点での右左折時の一時停止と十分な安全確認」などを直接訴えることにしたものです。連日、事故半減を訴えることで、運転者への注意喚起と意識づけを強め、目標達成への実効性を高めるのがねらいです。
東ト協はこれまで、ドライバーの"重要な情報源"である交通情報を、毎週土曜日と日曜日に各2回、放送していました。それを、月曜日から金曜日まで(昼間)毎日3回、計15回に拡大する一方、これまで各2回放送していた土、日を各1回にして毎週計17回とし、従来の週4回から放送を4倍にしました。
平日の昼間に放送を拡大したのは、ラジオの場合、時間帯が「午前10時前後」と「午後2時前後」に聴取者が多いというデータがあり、また、警視庁の調査によると事業用貨物自動車の交通事故は昼間時間帯(特に午前10時~正午)に多く発生していることから、その時間帯を中心に放送するものです。
ラジオ局等のラジオ聴取調査によると、「平日に平均3時間以上仕事で運転するビジネスドライバーの8割近くが、乗車中にラジオを聞いている」とのデータがあり、「ラジオCMを7回以上聴くと、CMの内容を理解し、身に付く」とのCM調査結果を日本民間放送連盟等がまとめています。大手広告代理店の調査によると、東ト協がこれまで週4回放送していた時と比べ、17回と回数を拡大すると、7回以上聴いてもらえる人が2.7倍に増えるという結果が出ています。こうしたことから、営業用トラックの交通事故が多い時間帯の午前10時から正午(警視庁調査)を中心に集中的に放送することで、事故半減への効果を高めることを狙っています。
交通事故の防止は東京都トラック協会の最重要課題の1つとして位置づけられています。
最近の事業用貨物自動車による重大事故は高止まり傾向にあり、交通事故全体の減少傾向に比べ、事業用貨物自動車の減少傾向が緩やかであると指摘され、国土交通省では、事業用貨物自動車の事故減少策をハード・ソフト両面から検討を進めています(11ぺージ「国交省、事業用自動車の事故削減ヘ数値目標検討」参照)。
東ト協では、事業用貨物自動車の事故多発や社会的影響のある重大事故等の発生があった場合、会員事業者に「事故防止(緊急)対策」のさらなる徹底を要請し、注意を喚起しています。
2008(平成20)年中には、5月に交差点での事業用貨物自動車関与の死亡事故が多発したため、同月23日に「『交通死亡事故の根絶に向けた事故防止緊急対策』(2007年1月策定)の更なる徹底について」を会員事業者に連絡、事故防止の徹底を求め、6月4日に「事業用貨物自動車の関与する重大交通事故連続発生に伴う対策の強化依頼について」を通知、改めて運転者一人ひとりまで指導徹底するよう要請しています。また、10月10日には「事業用貨物自動車が関与する交通死亡事故の根絶について」を連絡、重大事故が多発傾向となる秋から年末に向けて一層の事故防止活動を求めました。
東ト協は、2008年春の全国交通安全運動期間中の4月10日、本部と支部が連携して交通安全活動を展開しました。2008年度東ト協事業計画で、春秋の交通安全運動の機会を捉えて本部・支部が連携して交通安全活動を展開することを掲げましたが、そのスタートです。
東ト協各支部では、日常的な街頭指導(交差点での歩行者安全誘導等)活動をはじめ、春秋の全国交通安全運動など、さまざまな機会に地元に密着した形で事故防止活動を行っています。こうした活動を東ト協全体として「社会的に見える形で、より効果的に、社会的にもインパクトを与える」ようにし、東ト協の事故防止活動の社会的理解を進めようというのが、本部・支部連携による事故防止活動のねらいです。そのため、東ト協本部では、参加者全員が統一したスタイルで行えるよう、揃いの帽子やジャンパー、横断旗を用意しています。
東ト協は2008年5月に事業用貨物自動車関与の死亡事故のうち、交差点での死亡事故が多い点に着目、その分析を行いました。それをもとに、6月に交差点事故を防止するための対策をまとめました。さらに2009年2月の東ト協事故防止大会で、2007・2008年の2年間の事業用貨物自動車が関与した交差点での死亡事故分析をもとに、事故防止策を発表しました(後掲)。
東京都トラック協会は、環境対策を事故防止対策とともに重要な課題としてとらえ、大気汚染問題や地球環境問題などに対応し、低公害車導入支援、PM低減装置やNOx・PM低減装置の装着支援による低公害化促進事業をはじめ「グリーン・エコプロジェクト」を継続推進するなど、さまざまな環境改善施策を展開しています。
こうした活動で東京都の石原慎太郎知事は、2006(平成18)年1月の東ト協新年交歓会で「東京の空がきれいになった。東ト協の協力のお陰。"神様、仏様、トラック協会様"」と評価、それ以来、「東京の空がきれいになった」とのフレーズを東ト協の会合に出席した場合に使い、東ト協および会員事業者が「身を削いで」環境対策へ努力していることを評価しています。
東ト協では、これまで自動車NOx・PM法、東京環境確保条例などへの対応を進めてきました。自動車NOx・PM法への対応では、2007(平成19)年度は東ト協独自で新長期規制対応車の導入支援を実施、東京都環境確保条例への対応ではPM減少装置装着支援を行ってきています。こうしたことからNOxやPMへの対応は「峠を越えた」状況となっています。
また、石原都知事は2009(平成21)年1月の東ト協新年交歓会で、「(東ト協の環境対策の対応で)都民は見えにくいが大きな恩恵に与っている。東ト協が進め、東京都も協力しているドライブレコーダーの装着では、交通事故件数が減少しただけでなく、CO2の削減が非常に進んでいる」としています。
「グリーン・エコプロジェクト」は、東京都トラック協会が2006年度からスタートさせた環境対策事業で、環境面のCSR(企業の社会的責任)を能動的に果たすことで、経営改善を図ろうというものです。NOxやPM対策が「峠を越えた」なかで、地球環境に与える影響が問題となっているCO2削減に、トラック業界として積極的に取り組むものです。手法的には、運転者が走行管理表に燃費を記入するという簡易なものであり、それに基づいてエコドライブ等の指導が行われます。
「グリーン・エコプロジェクト」の取り組み成果は、燃費向上、CO2など排出ガス削減や交通事故件数の減少として現れています。具体的成果として、燃費向上効果のため使用燃料が削減され、2006年度、2007年度、2008年度(11月まで)の削減累計量は4,513,463・(200・ドラム缶約22,600本分)、それによる削減CO2量は11,825,275CO2/・、杉の木約84万本の植樹に相当──などが現れています。
全国の業界に先駆けたこの取り組みは評価され、環境省の「平成19年度地球温暖化防止活動環境大臣表彰」の対策活動実践部門で環境大臣表彰を受賞しました。また、環境サミットといわれた洞爺湖サミットに関連して日本損害保険協会等が主催した環境フォーラム「洞爺湖サミットを読み解く~わたしたちにできること」に東ト協からパネリストが参加してグリーン・エコプロジェクトの取り組みを紹介・説明したり、学際的にモビリティ社会の向上に寄与するために研究活動などを行っている国際交通安全学会の学会誌『Review』(33巻4号、2008年12月)に「トラック運送事業者の『エコ安全ドライブ活動』」のタイトルで論文が掲載されるなど各方面から注目され、東ト協への問い合わせもきています。
「グリーン・エコプロジェクト」には、環境改善、経営改善とともに、集積されたデータが「貴重な財産」となっています。さまざまな条件で、実際に走行している車両(年式、積載量、仕様など多種多様な車両)の燃費データが、大量に集積されるためです。東ト協環境部が積載量を区分指標として分析したところ、それぞれの積載量によって燃費が「ある傾向値」に収斂していく様子が示されました。こうした東ト協だけが保有しているデータに、国(国土交通省)、自動車メーカーや研究者も注目しており、今後、どのように活用していくかが検討されています。
東京都トラック協会は、2008年5月19日に開催した通常総会で、東京都の「緑の東京募金」に賛同、100万円を寄付しました。この募金は、都が今後10年間の基本計画である「10年後の東京」において、水と緑の回廊で包まれた、美しいまち東京を復活させ、次世代の子どもたちに緑を引き継ぐために創設されたもので、2010年度までに募金額8億円を目標としています。
この募金に対して、東京都は7月1日、都庁で「緑の東京募金感謝状贈呈式」を行い、東ト協に環境局長賞を贈りました。
東京都トラック協会は、2008(平成20)年度の重要テーマとして、再生産可能な適正運賃収受の実現で輸送力の確保を掲げました。そして、荷主団体に働きかける行政等の協力や東ト協による荷主団体や会員事業者の要請に基づく荷主への要望活動などで、運賃交渉環境の整備などを進めてきました。さらに燃料価格の高騰に伴う燃料サーチャージ制の研修会、経営危機突破総決起大会などを実施しました。こうしたことで、トラック運送事業者の厳しい経営環境を荷主に理解してもらい、また、社会的にも業界の窮状理解を進め、運賃問題等でそれなりの成果を上げてきました。2009(平成21)年の年頭理事会で東ト協の星野良三会長は、「今年の大きなテーマは原価計算ソフトを活用して車両1台当たりの生産性向上」とし、原価意識の向上が重要と指摘しています。
国土交通省と公正取引委員会は、トラック運送業界が軽油価格高騰に対応するための緊急対策をまとめました(6ぺージ「燃料サーチャージガイドラインを行政通達」参照)。それに対応して東ト協は、2008年4月に「トラック運送業における『適正取引推進』および『燃料サーチャージ制』ガイドラインに関する説明会」を開催。国交省(自動車交通局貨物課)の担当官が、燃料サーチャージの具体的算出方法・導入の具体例や燃料サーチャージ制を導入した場合の届出の必要性等を説明しました。同制度に対する会員事業者の関心は高く、東ト協はその後も同趣旨の説明会を追加開催し、会員の要望に対応しました。
東ト協はじめ1都7県(神奈川・千葉・埼玉・茨城・群馬・栃木・山梨)で構成する関東トラック協会(会長・星野良三東ト協会長)は2008年8月26日、千代田区永田町の自由民主党本部大ホールで「燃料高騰経営危機突破総決起大会」を開催。会員事業者ら1,400人以上が参加したほか、自民党選出国会議員、都議会議員など130人も参加しました。
この大会は、燃料価格の急激・異常な高騰による業界の窮状を背景に、事業者の危機感が開催に至らせたものです。大会では、事業者自らが立ち上がり、窮状を打破しようとの決意が表明され、・燃料サーチャージの導入等による適正運賃確保の断固実現・世界一高い高速道路料金の思い切った引き下げ・国民生活に必要なトラック輸送サービスを維持するための燃料税の緊急減税または燃料費の補填・省エネおよび代替エネ等の本格支援と運輸事業振興助成交付金の拡充・マネーゲームによる異常な原油高の抑止と国内燃料の価格監視等の徹底強化──の5スローガン実現を決議しました。
星野会長はじめ関ト協副会長でもある各県ト協会長は経済産業省、内閣府(経済財政担当相)、財務省、総務省、公正取引委員会、国土交通省を訪れ、要望書を手渡す陳情活動を展開しました。大会参加者1,200人は、日比谷公園まで街頭行動(デモ行進)し、トラック運送業界の厳しい経営環境や危機突破のための燃料サーチャージの実現、高速道路料金の大幅引き下げ、燃料税の緊急減税等の要望を広くアピールしました。
「総決起大会」は、8月26日当日、全国31か所で一斉に開催されました。同日に全国一斉で大会を開くことはトラック業界として初めての試みでした。
東京で開催された大会は大規模な大会であり、テレビ、新聞などマスコミが一斉に報道し、社会へのアピールに力を与えました。トラック業界の結束や、業界の置かれている窮状を広く社会に示すことができ、成功の大会だと言えます。そうした評価は、"荷主が大会報道で厳しい状況を感じてくれた""荷主の運賃問題に対する理解が進んだ"などの事業者の声からも窺えます。また、国交省サイドからは、政府の2008年度補正予算で、トラック運送事業への支援策(8ページ「第1次補正予算、トラック燃料高騰対策に42.5億円」参照)導入の契機にもなっているとの評価がなされています。
東京都は2008年10月30日、「原材料価格高騰対応等緊急融資」(略称:経営緊急)を発表。原油・原材料価格や仕入価格の高騰で売上げや収益が圧迫されている中小企業等の支援策で、都は翌日にも「東京緊急対策・」を相次いで発表しました。「経営緊急」は、政府が2008年8月29日に発表した緊急対策「安心実現のための緊急総合対策」で、中小企業等への資金繰り支援として盛り込んだ新たな保証制度(原材料価格高騰対応等緊急保証)が10月31日から実施されたことに対応したものです。
都の「経営緊急」は実施期間が2008年10月31日から2010年3月31日までで、都制度融資の「経営支援融資」に新メニューを設定、都独自の対応で最優遇金利を適用するとともに、信用保証料の大幅軽減を図っています。内容は・一般保証と別枠で最大2億8,000万円(8千万円まで無担保)まで、保証協会による全部保証(100%保証)の融資が受けられる・小規模企業者に対して、都が独自に信用保証料の2分の1を補助──というものです。
東京都トラック協会は、東京都が実施する「経営緊急」を会員事業者が活用できるよう、内容を紹介した「経営支援特集」を作成、2008年11月10日付機関紙に織り込んでその周知を図りました。
東ト協の星野良三会長は、2008年12月10日開催の常任理事会・理事会合同会議で、厳しい経営環境の中で「生き残る」ために「原価計算の徹底で1台当たりの生産性向上」が必要と強調し、車両1台当たりの原価を把握する必要があるとして、武田ロジスティクス研究会(代表・武田正治武蔵工業大学名誉教授)が開発した原価計算ソフト「武田式運送原価計算システム・関東圏2009」を全会員事業者に配布、活用してもらうための普及・利用促進活動を進める意向を示しました。
星野会長は、2009年の新年理事会でも「今年の重要テーマとして、車両1台当たりの生産性向上」を改めて示しました。同ソフトについて開発者の武田氏は、「トラック運送事業者の大半を占める中小事業者の原価意識の改革を通じて、経営改善を図ることが開発目的。毎日の車両別・顧客別収支(黒字か赤字か)を見ることで、経営の実情を具体的な数字で把握し、"大脳に毎日、実情をどうするか、打開策を考え、それを書き込む"ことで経営改善の意識改革を進めていこうというもの。そのため、経営の実情を知るデータを収集するソフトの操作を簡単・短時間で行えるようにした」と説明しています。
操作は、車両の基本データを入力しておき、日次実績は・当該日時・その日の走行距離・勤務時間・軽油の価格・高速道路利用料金・仕事の運賃(契約料金)──を入力してクリックすれば、当該の仕事が「何円の黒字(または赤字)」と瞬時に弾き出されるものです。
東ト協では、武田式原価計算ソフトの普及・利用促進を図るため、2009年1月26日から支部での講習会をスタートさせました。
営業用トラックの割引制度創設求める
東京都トラック協会は2009(平成21)年2月3日、東日本高速道路(14)、中日本高速道路(14)、首都高速道路(14)に「高速道路料金割引に関する要望について」を提出。3社に営業用トラックの割引制度創設等を求めました。これは、高速道路各社などが発表した「高速道路の有効活用・機能強化に関する計画(案)」(9ぺージ「首都高速に大口割引創設」参照)への意見公募に応じたものです。
「要望」は、3社に対して「営業用トラックの高速道路通行料金について、営業車割引制度の創設」を要望したほか、各社にそれぞれ対応した要望を行っています。首都高速に対しては・料金割引制度の設定に当たっては、廃止された高額回数券(18.4%)並みの割引・大口・多頻度割引(契約者単位割引)の創設とその充実(NEXCO並みの10%)・お得意様割引(頻度割引)の充実・距離別料金の設定に当たっては、現行料金を上回らない・協同組合の「集金業務集約化協力金」の充実──を要望。東/中日本高速道路には・大口・多頻度割引制度における契約者単位の「1車両あたりの平均利用額3万円超」「利用合計額500万円超」の適用条件の大幅な引き下げ・同上、契約者単位割引(現行10%)のより一層の拡充・「一般有料道路」についても、高速道路と同等の割引制度の適用・昼間時間帯における割引制度の創設とその充実──などを要望しました。
関東トラック協会(会長・星野良三東ト協会長)は2008年7月3日、首都高速道路(14) および国土交通省に、首都高速が導入予定の距離別料金案に対する要望活動を行いました。要望には、関ト協1都7県のトラック協会長全員が参加しました。
要望では、首都高速に対して、料金案は「実質的値上げで、容認できない」として、・事業用トラックが公共的使命を担っていることを考慮の上、事業用トラックの特別料金制度の導入等により通行料金の大幅引き下げを図られたい・距離別料金制度の導入にあたっては、現行料金を上回ることなく、また、廃止された回数券並み割引(18.4%)の適用を図られたい──と求めました。
また、国交省には、業界が危機的経営状況にあり、実質的な大幅値上げとなる首都高速道路の距離別料金制度導入は到底容認できないとして理解を求めました。
東京都トラック協会、トラック業界の理解を深めてもらいイメージアップを図るため、テレビ、ラジオ等のメディアの活用も含めて広報活動を展開しています。その一環として、直接、都民や地域住民に働きかけているのが「トラックの日」のイベントです。10月9日「トラックの日」を中心に、東ト協各支部が地元に密着したイベントを実施して"暮らしを運ぶ緑ナンバートラック"をアピールしています。本部イベントもその一つです。
東ト協は、2008(平成20)年10月5日に「トラックの日」本部イベントとして「トラックの日フェスタinラクーア」を、文京区春日の東京ドームシティ「ラクーア」屋外ステージで開催しました。2006(平成18)年から連続3回目の開催で、家族連れやカップルなど9,387人(ラクーア調べ)が来場しました。
子供(家族)や若い人向けイベントのなかで、トラック業界が社会に無くてはならない物流を担っている役割り、事故防止、環境対策への取り組みなどを理解してもらう企画を盛り込み、全体の流れの中でトラック業界が身近なものであり、生活や産業を支えていることの理解を深め、業界イメージアップを積極的に図っています。
東ト協は、業界の好感度アップのため、明るく・覚えやすい業界テーマソング「風になろう」、イベントソング「On my road(オンマイロード)」を2008年6月に制作、本部・支部のイベントをはじめテレビCM、ラジオCMなどに活用。業界のイメージアップや認知度アップ、社会的地位の向上を図り、魅力ある業界イメージの定着をねらうイメージチェンジ作戦の一環です。
業界テーマソング「風になろう」(男性ボーカル曲)は、アフリカ音楽のリズムの力強さと、カントリーミュージックのあたたかさを取り入れて、トラック運送業界がめざす"あたたかい世界"を表現。わかりやすいメロディを繰り返す、耳に残りやすい曲となっています。
イベントソング「On my road」(女性ボーカル曲)は、爽やかで力強いポジティブな曲。トラック運送業界の輝かしい未来をアピールし、希望に溢れる明るいイメージの表現です。
業界テーマソング・イベントソングは、2007年5月に東ト協広報委員会・広報小委員会の中に「テーマソング検討会」を設置して、検討作業を進めました。
東ト協は2008年10月3日から、東京MXテレビで放送しているCMを一新。業界テーマソング「風になろう」を活用したアニメ調のイメージCMに変更しました。「風になろう」の歌詞にあわせて、親近感のある擬人化したトラックが、四季の風景をバックに山を越え、野を走り、笑顔をのせて貨物輸送し、生活を支えるイメージを映し出しています。
10月5日に開催した「トラックの日」本部イベント会場でも、大型モニターで新CMを放送、アピールしました。
東京都トラック協会は、会員とその事業所に勤務している社員・家族を対象に、2008(平成20)年度の新規福利厚生対策事業として専門スタッフが24時間対応する、東ト協専用ダイヤルによる「こころとからだの健康相談(24時間電話相談)」事業をスタートさせました。
日頃気になる体調不良・健康障害、さまざまなストレスによる悩み・不安(メンタルヘルス)、薬や治療方針、介護や育児に関する悩み、知りたい医療機関など「心とからだの健康問題」に対して専門家に相談できるものです。相談は匿名ででき、相談内容が知られることはなく、プライバシーは守られています。電話料・相談料は無料。
東ト協は、会員事業者のための福利厚生対策事業とし、会員事業所従業員・家族の休暇活動、レジャー・レクリエーション活動などのため、2006年度にニュー・グリーンピア津南、ダイワロイヤルズホテルと、2007年度に東京貨物運送健康保険組合(保養所「トーカ熱海」)、東京トラック事業健康保険組合(保養所「保養所あじろ」)と保養所契約を締結しています。