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東京都トラック協会の活動

軽油高騰問題への対応

 東京都トラック協会は、環境対策、交通安全・事故防止対策などのコスト増に耐え、国民生活や産業発展に必要な物流という社会的使命を遂行するには、再生産可能な適正運賃収受が必要とかねてから主張してきました。同時に、そのことを社会に広く認知してもらうとともに、業界の実情を利用者や荷主企業・団体にもよく理解してもらうため諸活動を展開しています。

流れを変えた東ト協の経済産業大臣への要望

 2004年半ばからの原油価格の暴騰による軽油価格の高騰が、企業経営を直撃、厳しい業界環境をより深刻にしました。原油価格暴騰が各方面に影響を与え出し、日常生活に影響を及ぼしていることがトピックニュース化され出しましたが、まだ話題止まりでした。
 この問題の社会的関心を引き出し、流れを大きく変えたのが、2005年5月26日に行った東ト協の中西英一郎会長、浅井時郎名誉会長による中川昭一経済産業大臣(当時)、保坂三蔵経済産業副大臣(同時)への「軽油価格の暴騰に対する特別措置」への要望です。これが、6月3日開催の1府4省による「関係府省原油問題連絡会議」設置につながり、原油問題が政府レベルでの検討課題の発端となりました。
 この後の政府・与党の対応の中から、北側一雄国土交通大臣の閣議後の記者会見(9月13日)の「中小・零細企業が大半で、荷主になかなか請求できない。転嫁請求すると〝君のところじゃなくていいよ〟と言われる。そういう悲鳴のような声は、本当にあちこちで聞かせてもらっている。荷主団体に(価格)転嫁についてきちんとしていただけるよう私がお願いしなくてはいけない」との発言につながりました。また、政府も対応に動き出しました。

軽油価格高騰への対策小委員会を設置

 東ト協は、軽油価格高騰がトラック運送事業の経営を著しく圧迫していることから、星野良三会長代行の指示で「軽油価格高騰対策緊急小委員会」を設置、9月5日に初会合を開きました。この小委員会は東ト協資材燃料委員会を中心として設置し、軽油価格高騰に対する東ト協の取り組みを検討しました。軽油価格高騰の業界への影響は、全ト協の調査によると軽油価格が1㍑当たり1円上がると業界全体で1年間に約180億円の負担増(推計)となり、東京では約15億円の負担増(推計)と膨大なものです。同小委員会は、精力的に早急に打つべき対策、将来にわたって取り組むべき対策について、さまざまな角度から審議しました。
 まず、緊急対策の第1弾として、10月25日から「軽油価格高騰・経営危機突破 緊急キャンペーン実施中」のマグネットステッカーを会員事業者の車両約4万8千台に貼付し、荷主はじめ都民に窮状のPR活動を開始しました。
 続いて、11月10日付『東京都トラック時報』の特集号発行、11月22日の『日本経済新聞』の全面広告の掲載による内外向けアピールで、「いかに大切な輸送をしているか」そして「安全・安心な輸送を維持するためには、適正な運賃が必要である」ということを強く訴えました。
 こうした利用者・荷主などをはじめ広く社会に業界の実情を訴え、理解を求める活動の集大成が11月22日開催の「軽油価格高騰・経営危機突破大集会」です。

軽油価格高騰・経営危機突破大集会を開催

 原油高騰問題に対する国土交通大臣、国土交通省をはじめとする関係当局の対応は、トラック運送事業者が〝荷主との交渉〟に動き出すような環境整備を進めたことになりました。こうした環境整備の動きに対応、価格転嫁への気運の後押しを受けたなかで、東ト協は11月22日に東京・平河町の自民党本部で「軽油価格高騰・経営危機突破大集会」を開催、700人の事業者が参加しました。東ト協が原油価格高騰問題に対して進めてきた施策の集大成である「大集会」のネーミングは、トラック運送事業者によるトラック運送事業者のための大会との意識を表したものです。
 「大集会」は、原油価格高騰問題への対応が、各社において、それぞれ抱える諸事情に応じた対応が求められるような状況になってきている──との表現ともいえるものです。それは、協会や政府・関係省庁が進めてきた「トラック業界の厳しい経営環境や業界実情への理解」を広く利用者や荷主業界に進めてきていることで「外堀が埋まってきた」(星野会長代行)ため、今後、自助努力で局面を解決したり切り開いたりすることが必要という「内堀を埋める」(星野会長代行)活動が求められているからです。
   「大集会」では、会員事業者2社のトップが、原油価格高騰に対する転嫁対応成功事例を報告。また、来賓の自由民主党総務会長の久間章生氏、経済産業大臣の二階俊博氏、海外出張中の北側国交相に代わって国土交通副大臣の松村龍二氏らも業界の窮状に理解を示しました。

環境問題への対応

 東京都トラック協会は、2005年度事業においても環境対策を重点事項に据え、東京都環境確保条例、自動車NOx・PM法や低公害車普及促進への対応を進めました。
 東京都環境確保条例への対応では、PM減少装置装着補助に関して東ト協独自の補助とともに、東京都の補助事業に対応してきました。PM減少装置装着補助申請では、06年2月15日現在、東ト協への申請2,724基、東ト協環境対策窓口を経由して都への申請1,556基となっています。
 また、自動車NOx・PM法や低公害車普及促進への対応では低公害車導入補助を行い、06年2月15日現在の申請台数はCNG車380台、ハイブリッド車135台、新長期規制車593台となっています。
 こうした申請受け付けや環境対策への相談は、東ト協「環境対策窓口」で行っており、06年2月15日現在の申請受付件数は1,950件となっています。

エコ・ドライブの普及推進

 東京都トラック協会は、東京都環境確保条例や自動車NOx・PM法への対応を進めてきているため、それらへの対応への枠組みができています。そのため、「東京都環境確保条例への対応はヤマを超えた」とのトップの発言がみられるようになり、次に自動車NOx・PM法への対応として車両代替に対する支援策を関係各方面に要望しています。
 その一方、地球環境問題を視野に入れ、トラック運送事業者のCSR(企業の社会的責任)の一環として地球温暖化に影響を与える二酸化炭素(CO2)削減、そのためのエコドライブを積極的に推進しようとしています。こうしたことから東ト協環境委員会ではエコドライブがどれだけCO2削減効果につながるのかという「データベース」を構築しようと計画しています。この「データベース」作りは全国初の試みで、こうしたエコドライブ推進などを通じて、トラック業界が環境問題にトップランナーとして発言する団体を目指しています。

ディーゼルこそが地球を救う

 東ト協壮年部が中心となって、CO2排出ではガソリンエンジンより優位に立っているディーゼル車を地球環境のために見直す機運を高めようとしています。軽油のサルファフリー化や新長期規制、さらにはポスト新長期規制でディーゼル車からの排ガスは改善されており、ポスト新長期規制の排ガスは〝空気よりきれい〟といわれるほどです。また、欧米ではディーゼル車が脚光を浴びています。
 こうした状況から、東ト協壮年部は「ディーゼルが地球を救う」をテーマに研修を重ね、そのテーマを広く訴えるため06年2月2日には、環境フォーラムⅡ「トラックと社会・環境との共生を考える」を開催しました。

事故防止活動

 交通事故防止活動は、東京都トラック協会の重点事業の一つで、トラック業界が「社会との共生」を図るための重要活動と位置づけています。そのため、本部・支部ではさまざまな講習会・研修会を開催したり、支部が地域の実情に合わせ、行政や地域住民と一緒になった活動、会員事業者がそれぞれ工夫した取り組みを展開しています。

トラック事故防止で啓発活動

 東ト協は2005年9月に「交通安全活動の効果的な展開について」を会員事業者に連絡、例年事故が多発傾向になる年末に向けて、警視庁が推進する事故防止重点事項の周知と事故防止活動を促しました。その後、10月に入り事業用トラックの事故が多発してきたため、緊急事故防止委員会を開催し、ひき逃げや飲酒運転などの重大・悪質事故防止を求めるとともに、東京運輸支局が作成した「トラック事業者に係る重大・悪質事故防止自主点検表」を経営トップや管理者が活用し、事故を起こさない体制作りを求めました。
 さらに東ト協では、事業用トラックの重大・悪質事故発生に危機感を抱き、星野良三会長代行が事故防止委員会に出席して「もう一歩踏み込んだ事故防止活動の取り組み」を求めました。同時に、事故防止を呼びかけるチラシ「トラック事故が多発! しっかり前を見て安全確認を」を10万枚作成。会員事業所の運転者に、厳しい事故状況を周知するとともに、警視庁と協力して「東京交通安全キャンペーン活動」を実施、京浜トラックターミナルで作成したチラシなどを運転者に手渡し、事故防止を呼びかけました。

10回目を迎えた事故防止大会

 東ト協が1997(平成9)年に開催した全事業者参加型の「事故防止大会」が、2006年2月で10回目を迎えました。毎回年初(2月)に開催し、毎回1,000人以上の事業者が一堂に会して事故防止への意識を高めていくもので、全国的にも例を見ないものです。
 事故防止大会の主眼は、東ト協事故防止モデル支部が実践している事故防止活動報告です。これは、モデル支部が地域の実情に応じて行っている活動を、他の支部・事業者の参考にしてもらおうというもの。「活動の水平展開」を図り、事故防止の実効性を高めることがねらいです。
 事故防止モデル支部は、事故防止大会と同時にスタートしました。東ト協が指定(2年間)し、活動費を支援するものですが、2005年から支部を規模に応じて大(会員数150以上)、中(同100~150未満)、小(同50~100未満)に分け、それぞれから1支部を指定する方式になりました。

「チャレンジアンダー300」達成で警視庁から感謝状

 東ト協が1997(平成9)年に開催した全事業者参加型の「事故防止大会」が、2006年2月で10回目を迎えました。毎回年初(2月)に開催し、毎回1,000人以上の事業者が一堂に会して事故防止への意識を高めていくもので、全国的にも例を見ないものです。
 事故防止大会の主眼は、東ト協事故防止モデル支部が実践している事故防止活動報告です。これは、モデル支部が地域の実情に応じて行っている活動を、他の支部・事業者の参考にしてもらおうというもの。「活動の水平展開」を図り、事故防止の実効性を高めることがねらいです。
 事故防止モデル支部は、事故防止大会と同時にスタートしました。東ト協が指定(2年間)し、活動費を支援するものですが、2005年から支部を規模に応じて大(会員数150以上)、中(同100~150未満)、小(同50~100未満)に分け、それぞれから1支部を指定する方式になりました。

経営環境への対応

 東京都トラック協会は、事業環境を取り巻くさまざまな問題に対応して要望や研修活動を行っています。軽油価格高騰に対するため「軽油引取税の暫定税率7円80銭の一時凍結」要望、首都高通行料金に対する要望、道路特定財源に対する自民党東京都連や東京都議会各党への要望、改正道交法による駐車問題、「中型免許」に関する警察庁の意見公募に対応などをはじめ、CSRやコンプライアンスなどの面から重視されているグリーン経営認証や安全性優良事業所認定などの取得に対する研修会などを開催しています。

東ト協活動の認知拡大へPR活動

 東京都トラック協会は、トラック運送事業のイメージアップや業界理解を深めるため、さまざまな広報活動を展開しています。
 2005年は、軽油価格高騰が経営を直撃する業界の大きな問題となったため、軽油価格高騰による経営危機の実情をラジオ・テレビCMや一般紙広告などでアピールすることが多くなりました。2005年6月27日から6日間、業界で初めて連日『毎日新聞』夕刊1面に軽油価格高騰に伴う窮状をアピールする意見広告を掲載し、また東ト協が提供しているTBSラジオやMXテレビでのCM内容も軽油価格高騰問題に変更しました。
 また、PRパンフレット『都民の暮らしを運ぶ』(A4判・6頁カラー)を作成し、イベントをはじめさまざまな催しで配布。トラック輸送が生活の身近にありながら、意外と知られていない営業用トラック輸送の社会的役割や業界の環境対策、交通事故防止対策など、営業用トラックの世界を知ってもらおうとしています。

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